主な健康診断の内容

病気にはハッキリとした症状が出て気がつくものもあれば、徐々に変化するために気がつかずに進行しているものもあります。また、病気になる前に身体の変化を知ることで予防できるものもあります。そうした病気を見つけ出し、健康を保つために役立つのが健康診断です。年に一回基礎的な健康診断を受けるようにしましょう。
以下、主な検診の項目についてどのような病気が解るのか簡単に解説します。

身体計測

身長、体重、腹囲

過度の肥満や、極端なやせは病気によって引き起こされている可能性があります。また長期間続くことで病気の原因になることがあります。体重の変化に気をつけましょう。
身長からもっとも標準的な体重である理想体重を導きだし、その理想体重からどれだけずれているかで肥満ややせすぎの程度をおおよそ見当を付けることができます。また、これまでの自分の体重と比べてどのように変化しているか、急に増えたり急に減ったりしていないかを知ることで体調の維持に役立てることができます。近年はメタボリック症候群の判定のために腹囲を測定することも多くなりました。

視力検査・聴力検査

視力検査は遠視や近視など多くの人が経験する変化をはっきりと知るために役立ちます。急な視力の変化があれば眼科を受診して重い病気が隠れていないかどうか、視力の悪化を防ぐために何をすれば良いかなど相談をしましょう。

聴力の低下は、中耳炎などの感染症や騒音の影響、加齢など様々な原因で起きることがあります。

一般診察

胸部聴診(心音・呼吸音)

子どもの頃、健康診断というと医師が聴診器で胸の音を聞いていたのを覚えていると思います。心臓の音を聞いてわかる病気には、心臓の脈拍にリズムに乱れがある不整脈、心臓の弁の形が変形して起きる弁膜症などがあります。その他、さまざまな心臓の不調が心音をきっかけに解ることがあります。肺の音を聞くことによって解る病気には、肺炎・結核などの感染症、喘息・肺線維症などの呼吸に影響がある慢性の病気などもわかることがあります。

血液検査

血算

赤血球・白血球・血小板といった血液の中の成分の量を調べる検査です。赤血球が少なくなっている場合を貧血と言います。赤血球の数が少なくなっているのか、量が少なくなっているのかといった細部の検査によって貧血の原因をおおよそ見当を付けることもできます。貧血の原因には、身体のどこかからの出血や慢性の病気による消耗、栄養素の不足ホルモンの異常などがあり、様々な病気を見つけ出すきっかけになり得る検査です。
白血球は、細菌の感染があると増える性格がありますので、身体の中に深刻な感染症が起きているか知るきっかけになります。また白血球が減りすぎることで身体の抵抗力が下がる病気もあるので注意が必要です。血小板は血液を固める成分。これが多すぎても少なすぎても何らかの病気が隠れている可能性があります。

生化学

生化学検査は、血液の中の様々な微量の成分の量を調べるもので様々な病気の発見に利用できます、健康診断で特によく行われる検査に、肝機能検査・腎機能検査・コレステロール検査があります。肝機能検査は肝臓や胆嚢の異常などを発見するきっかけになります。腎機能検査は、腎臓の働きが正常に働いているかを調べることに活用できます。また、コレステロールは異常に高くなることで動脈硬化を進め、脳梗塞や心筋梗塞など血管の流れが悪くなることで起きる病気につながる可能性があります。コレステロールが低すぎるときも栄養障害やホルモンの異常などなにか病気が隠れている可能性があります。

糖尿病検査

糖尿病は、放置しておくと全身の血管の状態を劣化させ様々な臓器の異常につながる可能性があります。眼底出血によって視力を低下させたり、腎臓の働きを劣化させたり、手足の先のしびれなどにつながることが多いです。また心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高めることになります。糖尿病の検査には、血液中の糖の量を測定する血糖検査がありますが、食事の前後で変動するため、一ヶ月の血糖の平均値を反映するヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)検査がよく利用されます。

検尿

通常は尿の中の蛋白、潜血(微量の血液)、糖を調べます。若い男性は運動後などに少量の蛋白が混じることがありますが、多量に蛋白が出ていると腎炎、高血圧などで腎臓の障害が生じている可能性があります。尿に潜血が混じる場合は、腎炎、腎結石の他、腎臓や他の泌尿器の腫瘍が見つかることもあります。ただし、女性の場合膀胱炎で蛋白や血液が出ている場合も少なくありません。異常が見つかった場合に精密検査や再検査を受けることが大切です。糖が出ている場合は多くの場合糖尿病です。ただし、体質的に糖尿病でないのに少量の糖が尿に出てしまう人もいますので血液検査で確定することが重要です。

血圧測定

高血圧は徐々に進行するために初期には自覚症状はありません。症状を感じるようになった時は、既に内臓に深刻な影響が生じている可能性がありそれでは遅すぎます。症状がなくても定期的に検査をしておくことが大切です。高血圧を放置すると、動脈が硬くなって心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。また、脳出血を引き起こしたり、腎臓の働きを落としたりすることにもつながります。一般的に正常な血圧は、収縮期(上)の血圧が140mmHg以下。拡張期(下)の血圧が90mmHg以下です。緊張して高めに出ることがあるので深呼吸をしてリラックスしてから受けましょう。

心電図

心電図で解ることは、心臓のリズムの乱れ(不整脈)と心臓の筋肉の働きの異常などです。普通心臓は、安静時には一分間に50回から80回ぐらいのスピードで定期的なリズムで動いています。これが早くなりすぎる頻脈、遅くなりすぎる徐脈、リズムが不規則になる不整脈などがあると心臓の働きに影響する病気が生じている可能性があります。
また、心電図の波形に変化がある場合には心臓の血管が狭くなって筋肉に充分血液が行かなくなっている狭心症、血管が一部詰まってしまっている心筋梗塞、高血圧によって心臓の筋肉が篤くなっている心肥大などが見つかる場合があります。

胸部X線撮影(レントゲン検査)

胸部X線撮影では、主として心臓と肺の病気を見つけることができます。心臓については、力が落ちて心臓が肥大している心不全が見つかることが最も多いです。心不全の原因には、心筋梗塞、心臓弁膜症などさまざまな心臓の病気があります。また形の変化によって心臓弁膜症などの病気が見つかることもあります。肺については、肺炎・結核などの感染症、肺癌・リンパ腫などの腫瘍、肺線維症・肺気腫などの肺の力が落ちてしまう慢性の病気などがわかります。

以上が一般的な検診項目ですが、これ以外に様々な種類の癌を早期に見つけるための癌検診等も行われます。